スカイ・クロラ


押井守監督、Production I.G制作
2008年8月公開


やっと観た!
いやしかし見事に押井節の効いた映画に仕上がってた。
キルドレの存在を通して戦争と人間を描く。
この辺りは原作を巧く描いていたと思う。
というか原作の印象が強かったからどうしてもその辺りを意識して見すぎてしまったかも。
映画を先に観るべきか、原作を先に観るべきか…って考えるとやっぱり映画として楽しみたい時って先に映画から楽しむべきかなともちょっと思ったりした。
というわけで大体の感想は小説『スカイ・クロラ』でどうぞ。


んでは映画として感想書いとこう!
空の色が凄く透き通るようで、また全て飲み込むようでもある青。
それが川井憲次の音楽と合わさってすごく気持ちのよい映像になっている。
あまりに綺麗でしかし淡々と語られる物語から気を抜くと気持ちよくなりすぎて夢の中へ…という危険もありそうだった。
勿論期待してみている内はそんな事全くないけどねw
戦闘シーンが圧巻だと周りが評していたけれどもそこはまさにその通りだった。
迫力あるしスピード感あるし!
これは映画館で観ておいて本当に良かった!と思えるでき。
あとは声優は見事に俳優ばかりを適用していたな…
わざと子供っぽく話させているのは演出だろうけど、ちっと拙い気もしてしまった。



以下原作との相違点から軽くネタバレ


原作ではラストで水素を函南が撃って終わっているがそこが大きく違った。
またティーチャーの存在も強く描かれており、彼を絶対に倒す事のできないオトナと設定する事は小説よりも一層この作品を戦争を意図的に行うゲームのような世界観へと作り上げていたように感じる。
函南=ジンロウという外見であり、ジンロウを撃った水素を中心に函南を描きあげた。
原作ではラスト函南が水素を撃つが映画ではその行為と反して「生きろ」と言う。
そして函南ティーチャーによって葬られる。
水素は函南の生まれ変わりに対して「待っていたわ」と声をかける。
死んでは生き返るその繰り返しからの脱出としての希望を見出す言葉と捉える事もできるが、一方で終わらない輪廻・業を象徴するような言葉とも捉える事ができる。
その辺りが原作とは違っていて凄く押井節。ずるい。


明日死ぬかもしれない人間がオトナになる意味ってあるのかな…




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